「ここで生きていく」と覚悟を決めた
石巻には80家族ほどの国際結婚の家族がいます。津波の被害を受けて雄勝・女川・出島などから石巻地区に移った家族も含まれています。昨年の震災後、石巻の日本語教室が再開したとき、そこで学んでいた外国出身の女性たちは大切な共通の場を取り戻しました。情報を交換し、物資を分け合い、なによりもお互いが思いやることで力をもらって支えあってきました。そして、日本中のたくさんの人たちから物資と心の支えをもらって、「ここで生きていく」という覚悟をかためました。
子どもと家族、自分の将来のために何をすべきか
家族の生計を成り立たせること、子どもたちを育てること、家族の健康をまもること、そして自分の将来のこと、そんなことをいろいろ考え、試行錯誤をしながら、「ハッピーママの会」の活動を始めました。中心となっているのは、台湾・中国・韓国・フィリピン出身の方たちです。
三つの思い こういう思いを持っています。
・子どもに自分の言葉と母国の文化を伝えたい
・自分たちの実家になるような居場所を作りたい
・自分が住んでいる地元の人たちと交流して、自立した活動をし、地元に貢献したい
自分たちができることを確かめながら、自立した活動をして、社会に貢献したい
この1年間、当会と石巻市が「ハッピーママの会」と協働して活動し ながら、組織作り、運営方法、活動の進め方をともに体験します。
石巻市の日本語教室「国際サークル友好21」の生徒さんたちのために「多文化読み聞かせ隊」「Instituto Dança Viva - Holambra – Brazil」の方たちが石巻に来ました。予想以上の50人を超える外国人親子が集まって、おしゃべりをしたり、絵本を多言語で読み聞かせをしたり、サークルダンスをしたりしました。
川崎の「多文化読み聞かせ隊」は、これからの活動に必要な多言語絵本を紹介してくれました。「国際サークル友好21」のボリビア人の方は、さっそく今月末に小学校でスペイン語と日本語の読み聞かせをすることが決まったそうです。
ブラジルからいらした「Instituto Dança Viva - Holambra – Brazil」の武藤さんは、手をつなぎ、右の人から自分へ、そして自分から左の人へ心を伝えながら踊るダンスを教えてくれました。
「多文化読み聞かせ隊」も「Instituto Dança Viva - Holambra – Brazil」も、これから石巻のみなさんに心強い助っ人になってくれると思います。
日本国際児童図書評議会(JBBY)早稲田大学東北子ども支援プロジェクトの主催です。
「世界子ども音読大会 届けよう!ことば」(石巻市の稲井公民館)に子どもたちやお母さんたち、東京から日本国際児童図書評議会(JBBY)のスタッフ、早稲田大宅の学生さんたち、合わせて60人以上が参加しました。
お母さんたちの国籍は、中国・台湾・韓国・ベトナム・タイ・インドネシア・ボリビア・ペルーですが、子どもたちは日本の学校で学んでいるので、日本語ができます。
JBBYの野坂悦子さん(翻訳家)の紙芝居を見た後、子どもたちが順番に紙芝居を自分でめくりながらやってみました。音読も紙芝居も、子どもたちにとって初めての経験で、友だちやお母さんたちといっしょというのも、とても楽しそうでした。
最後に、6人のお母さんが「すごいよ、ねずみくん」で5日国語の多言語読み聞かせをしました。これはすべて自分たちで計画を立てて練習をしました。演じたお母さんたち自身が、母語での読み聞かせは楽しいと言っていました。
帰りに、子どもたちは1冊ずつ好きな本を選んで持って帰りました。後から聞いた話では、帰りの車の中で子どもたちは音読をしていたそうです。
2011年8月、南三陸町の仮設住宅の一角に、「いっしょに歩こう!プロジェクト」(聖公会)の夏休み子ども教室が開かれました。小学生が夏休みの宿題をもって集まりました。
当会も、ボランティアとして仙台から参加しました。